意外かもしれませんが、翻訳もエキサイティング、かつ毎回色んなことが飛び出します。
通訳と比べて見ると…
通訳のエキサイティングなこと:
・現場でクライアントやその相手と会う。よほど同じ案件の繰り返しでない限り毎回初対面の人と会う。
・現場で、知らない業界用語のこととかを教えてもらえる。
・何が起こるかわからない。そしてそれに対応しなければならない。知り合いの通訳者Aさんの体験談として、「スピーカーのX氏は中国語を喋るので、その間は英語通訳者のAさんは休憩」と言われていたのに、X氏が突然英語でスピーチを始め、Aさんが対応(しかも同時通訳)した、ということも。
・とにかく現場に行ける。工場、新製品の開発現場、航空機、歴史的建造物、盆栽の栽培園…。キリがないです。
こうしてみると通訳はやはりエキサイティングですが、翻訳もなかなかのものです。
翻訳のエキサイティングなこと:
・とにかく色んな知識に触れられる。文字数でいうと、通訳で聞く・話す文字数よりは翻訳で読む・訳す文字数の方が多いと思うので、非常にマニアックな内容の文書に大量に触れることができる。
・お客さんからのオーダーが多種多様。用語集の指定はもちろん、「読み上げ原稿にするので聞いていて自然になるように訳して。そして原文にカッコ書きがあっても、読み上げると変になるので訳文にカッコは入れないで」とか、「訳文に一部の記号は使わないで」とか、英語に訳すときは全角は避けるが、例外的に「⇔」はOKとか。
・CATツールが複数あるので、仕事のたびにいかに効率よく進めるかを考えることになり、うまく行ったときの喜びがハンパない(原文文字数が何万文字もあるので、正規表現や置換・検索などが効率よく行くと、喜びで思わず叫んでしまう)
・大量の原稿を複数の翻訳者で進めることもあるので、スケジュール(1日何文字まで訳せるか)のギリギリの管理が求められる。少なめにすると収入に響くし、儲けようと思って多くすると夜中までやる羽目になるor訳質を落とすリスクにつながる。
他にも色々ありますが、最近1~2年で、同じ要件の仕事はほぼなく、毎回何かしらの要望や指定(仕様ともいいます)があるので、まとめてみました。なので、「翻訳は一日家にこもっていてちまちまパソコンとにらめっこするだけ。通訳の方がはるかにアクティブでエキサイティング」というのは、必ずしもあたっていないんじゃないかな~。どの視点でみるか、ですかね!
