先日の記事で書いた、懸垂分詞について簡単に紹介します。
まず、分詞構文はご存知かと思います。たとえば、
Because he understood the difficulty of their lives, he donated his fortune to the charity.
(その人たちの生活が大変であることを理解していたので、彼は財産をその慈善団体に寄付した。)
という文章は、主語が同じheなので、接続詞と主語を省略して
Understanding the difficulty of their lives, he donated his fortune to the charity.
という文章にできます。これが分詞構文ですね。
では次の文はどうでしょう。
Putting the issue of HR aside, the M&A need to be discussed.
(人事の問題は脇に置いて、M&Aについて議論しなければならない)
ですが、正しいでしょうか?
厳密には、puttingの主語はweで、主節の主語がthe M&Aで、主語が違います。分詞構文のままにするのであれば、主語をweに統一して、
Putting the issue of HR aside, we need to discuss the M&A.
とすべきです。この、主語が異なるにも関わらず分詞構文にしている文章は懸垂分詞と呼ばれ、正式には間違いとされています。
「正式には」というのは、ネイティブの中には「文脈で分かるから問題ない」とする人もいるからです。
ただし、Assuming~やConsidering~で始まる文は、前置詞と同じように使用されているので、懸垂分詞に当たらないそうです。安心しました~。
しかし私たちノンネイティブは、特にいやしくも通訳翻訳で口を糊している人たちは、「分かればいい」は目指すところではないはずです。正確に書くためにも懸垂分詞はさけるべきかと!