翻訳をしているとよく漢字の変換に悩みます。
「さらに」か「更に」か?「図のように」か「図の様に」か?など。
基本ルールを知っておくと悩まなくていいですよね。
目安として、JTF(日本翻訳連盟)の翻訳スタイルガイドでは以下のようになっています。
以下は、ひらがなで書く。漢字は使わない。
〇提出してください。 ×提出して下さい。
〇さらに ×更に
〇ただし ×但し
〇できる ×出来る
〇先生たち ×先生達
〇または ×又は
〇図のように ×図の様に
以下は、漢字で書く。ひらがなは使わない。
〇一切 ×いっさい
〇必ず ×かならず
〇何も ×なにも
〇何らかの ×なんらかの
ただし、いつものお約束ですが、分野やクライアント指示が最優先です。例えば、「および」はJTFでは「および」とひらがな表記ですが、法律では「及び」です。
それから、図面など文字スペースに制約がある場合は、漢字にして短くするほうが好まれる場合もあります。そういえば図面にネイティブが書いた英語も冠詞がないのが多いです。"Desk to be installed by others"(机は他社が取り付け)など。
☆品詞・意味で使い分ける
および・及び
andの意味では、「および」
「影響が及ぶ」などでは、「及ぶ」
いたす・致す
「お願いいたします」などでは、「いたす」
「思いを致す」など、「する」の意味では、「致す」
したがって・従って
thereforeの意味では、「したがって」
followの意味では、「従って」
ほしい・欲しい
pleaseの意味では「ほしい」:「施工してほしい」
wantの意味では「欲しい」:「器具が欲しい」
これがすべて正しいというわけではないのでしょうけれど、特に指定がないのであれば、あれこれ悩むよりも基本ルールに従ったほうがいいのではないでしょうか?いや、「従った方が」かな?