技術系翻訳。もはや翻訳ではなくライティング。

ここしばらく技術系(特に電気)の翻訳を勉強しています。

 

 

技術系の翻訳用のテキストを探すと、必ずと言っていいほど「テクニカルライティング」という言葉に行き当たります。これって翻訳とは違うのかな?と思ったのですが、かなり近いものがあることが分かりました。

 

 

リンゴをappleと訳すのと違い、技術系は専門知識だけでなく、簡潔に分かりやすく、がめちゃめちゃ求められます。

 

 

めちゃめちゃというのは本当に「めちゃめちゃ」で、例えば"be sure to"と"ensure"は同じような意味ですが、「ensureの方が語数が減るので簡潔になってベター」という考えです。これって受験英語では絶対出ない発想ですよね。

 

 

ライティングという発想から、原文が長い場合は短く切る、なんてのは序の口で、必要以上に情報を足さない範囲で言い換えたりします。そこは単なる英作文とは異なるところですね。

 

 

例えば「これは〜の義務範囲を示しています」は、英作文ならThis shows the area (とかrange) of the duty.などとなるのでしょうが、This defines the duty.と訳せば「defineが『範囲』の意味を含有している」とされます。

 

 

それと、同じ単語を繰り返さない方が自然で良い、とか言いますが技術系は万が一の誤解を避けるためにも同じ単語を使うことは厭いません。とにかく分かりやすく、です。

 

 

「分かりやすく」というのは特に英語のノンネイティブが読んでも分かるように、というのもポイントだそうです。一部のネイティブのインテリが分かる文章ではなく、誰でも分かるように、です。

 

 

ですので受験英語で覚えた小難しい単語は出番がありません。インフォーマルなイディオムも使いません。今までスラングとか勉強したのはなんだったんだ!と思ってしまいますが、それはそれでテクニカル以外の翻訳で役立てます〜。人生に無駄はない、といいますから!


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