ちまたの、気になる訳。

翻訳通訳者たかぽん

2020年09月01日 00:28

毒づくつもりはないのですが。

 

 

あるオンライン決済サービスに新規登録をした時の話です。氏名記入欄の注釈として「正式なID の名前を記入してください」と書いてありました。

 

 

…ピンと来ますか?

 

 

意味は分かります。運転免許証とか健康保険証に書いてある名前を使うということですね。日本の場合、「高」という漢字がハシゴ高だったりします。

 

 

通訳で英語にする場合、パスポートネームpassport nameが一番通じる気がします。

 

 

さて、日本で銀行や役所に行った時、相手から「ID の提示をお願いします。」なんて聞かれることありますか?ありませんよね。普通、「身分証明書を見せてください」と言われるはずです。

 

 

上記のサイトのもとの英語はおそらくofficial IDだと思います。なので訳は「公的な身分証明書」がベター、と提案したい!

 

 

このサイトは大手の会社だったので、ちょっとびっくりしました。機械翻訳かな?

 

 

海外ではID という用語がよく使われるし、日本でも使われないことはない。それはわかります。しかし日本人相手の翻訳なのですから、もっとザ・日本語にしないと、「意味は分かるがピンとこない」訳になります。自戒を込めて。

 

 

特に、英語が頻出するIT業界ならまだしも、金融系でしかも一般ピープル対象ですので、ID という言葉が分からない人もいる、くらいで訳さないといけないと思います。自戒をこめて。

 

 

こういうふうに、目にする言葉が気になる今日この頃です。妻からは、細かすぎるとたしなめられますが…。