フリーの通訳・翻訳で食べていけるのか?
コロナで大変な時代ですが、フリーになるという選択肢を選ぶ方もおられると思います。
フリーになる前は、フリーの通訳や翻訳で食べていけるのか?という質問を、自問自答を含め色んな方にしましたが、結局はやってみないと分からない、というのが一番正しい答えだと思います。もう一歩踏みこんで考えると、たとえ思ったほどはうまくいかなくても、フリーを選択したことを正解にしていく生き方をすればよいと思います。
フリーに踏み出す際、自分の実力がどれほどあるか、とか考えがちです。しかし!その他の要素(特に外的要因)があまりにも大きい気がするので、以下のとおりまとめてみました。
1.(特に通訳の場合)自分の住んでいる地域
通訳の場合、地域ごとに仕事量は全然違います。東京は大阪の10倍の仕事があると言われていますし、某通訳エージェントでは通訳コーディネーターの数が東京本社と大阪支社とで6倍の開きがあったと聞いたことがあります。交通費はクライアントが負担するのが普通ですから、仕事が多い地域にいた方が当然チャンスは多いわけです。
ただし、東京がベスト、とは言い切れません。例えば僕が2年ほど住んだ沖縄は、東京からの飛行機運賃が高くて呼びにくいうえに、通訳者の数が非常に少ないので結果として仕事はかなり来ると聞いたことがあります。
そして、住居費が大きいですよね。たとえある地方の通訳の数が東京より少なかったとしても、そもそも家賃が安かったら食べていけるわけです。これはリモートで翻訳している人にも言えます。同じ収入でも支出が違ってきますから。これは「3.自分が必要とする金額」にも関係します。
2.運
これ、すべてのなかで一番大切かもです。自分は運がいいのか?運がいいと、日にちが被らないようにいいタイミングで仕事が来たり、お金がなくてもう駄目だ〜というときに救世主のごとく仕事が来たり。そういう運の良さは何より大切だと思います。今まで、試験や就職でそういうタイミングの良し悪しがあったと思いますが、いかがですか?
3.自分が必要とする年収
これを言うと身もフタもないんですが(笑)。配偶者が専業主婦(主夫)で、家と外車のローンを抱え、3人の子供は全員私学。趣味は月一回の国内旅行と年二回の海外旅行、そしてアルマーニとポールスミスをこよなく愛す。という羨ましい人と、実家暮らし、趣味は図書館で本を読むこと、という人では必要な年収が段違いに違います。これも含めて「食べていける」なんですよね〜。僕は後者よりです…。こよなく愛しているのはユニクロです。
僕自身の経験を言うと、1.は何にも考えていなかったです。妻が関西出身で、「京都に住んでみたい」というのでそうしました。知り合いの通訳者は「東京にくればたくさん仕事あるのに」と言われてました。
2.は、自分はとても運がいいと思うので、そこの自信はありました。結局これが一番の後押しでしたね。
3.は、まったく予想外の方向に動いたので何とも…。奥さんは「いざとなったら私が働く」と言っていましたが、突如として子供が欲しくなり、授かったのはいいのですが、妻は未だに青色専従者です。当初の「夫婦二人だけならなんとかなるだろ」という楽観的思考は見事に打ち砕かれたわけです。
こう考えると、人生自体に不確定要素が大きすぎて、あまり考えてもしょうがないのかもしれないですね。コロナのせいで通訳は激減していると知り合いの通訳者に聞きましたし、翻訳が増えているとの話も聞きました。これも誰も予想していなかったことですよね。
結論は、自分を信じること、これしかない!