通訳と翻訳の頭の使い方の違い
通訳と翻訳の違いについて考えると、どちらかが優れているとか凄いという話になりがちです(←あくまでも個人の感想です)。「通訳はすぐに訳出できてすごい」「翻訳の方が係り受けや冠詞など、緻密さが求められるので英語レベルは翻訳の方が高い」など。それ自体はあまり意味のない議論だと思います。
最近発見したのは、脳の使い方の違いです。
通訳では、スピーカーの発言の訳文を考える時、訳文が正しいかどうか、他の選択肢はないかなどを考える回数は多くておそらく2〜3回(文)だと思います。頭の中で原文と訳文が往復するイメージです。
例えば、This decision is criticalという文では、
この決定は非常に重要です。
これは非常に重要な決定です。
この判断は非常に重要です。
あたりを考えて、一番良い(と思われる)訳を出すのです。同時通訳の場合はほとんど反射なので、何も考えずに口が勝手に言ってたりしますが(笑)
他方、翻訳はこれと違い、何度も原文と訳語を往復します。
This decision is criticalでは、
・過去の文章で「決定」と「判断」のどちらが使われていたか。
・「この決定は非常に重要です。」を選んだ場合、前後の文脈と合っているのか?(通訳と違い、後の文章を読むことができる)
などを考えます。更に、「なぜ著者はvery importantではなくcriticalを選んだのだろうか?」と思いを馳せなければなりません。そう考えれば、「必要不可欠な」「決定的な」などの訳語が辞書などから拾えます。あとは文脈などを見ながら選ぶのです。「『決定的な決定』はヘンだからやめよう」とか。
このように、原文と訳文との往復を何十回も行うのが翻訳の特徴だと思います。通訳ではそんな時間はありません。通訳の場合は、ちょっと手が空いたときとか、仕事が終わった後に改めて最適な訳語を探します。
誤解を避けるために言いますと、どちらがいいとか悪いとか、ではないし、ましてや凄いとか凄くないとかでもありません。単に「違う」だけです。寿司は手で食べるがシチューはスプーンで食べる、という程度です。
このように、通訳と翻訳の違いを考えるのはライフワークみたいになってます。趣味みたいなもので。
趣味的な内容をここまで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m
ついでに、ついに楽天モバイルの申込みが開始になりましたね。使えるのは来月4月からだそうです。乗換えは少し先になると思いますが、僕的には嬉しいニュースです。というのは、3大キャリアのスマホの月額料金はやはり高すぎるからです。ショッピングモールとか、店舗型とか、あんなに立派な施設を用意できるほどの資金がある。「どんだけぼったくってんねん」(3大キャリアの関係者がいたらごめんなさい)と見るたびに思います。
ガラケーの時はあそこまで立派じゃなかったし、キャッシュバックもここまで高額じゃなかったです。
おっさんの「昔は良かった」ボヤきでした!